他人事じゃない・・・85歳の友。

4/07/23

ご縁

 


春の嵐。風が ゴーゴーと音を立てています。

吹き飛ばされそうな風に 恐れおののきながら 想います。咲き始めたチューリップの長い茎が 折れたりしないだろうか。

そんな余計な心配は 無用ですね。植物って ひとが想う以上に しなやかです。


心配といえば 先日 ふと思い出した 友達のこと。


30年近く交流のある女性 よし子さん 85歳。ずっと独身で おひとり暮らし。

腰椎骨折による腰の痛みがあるため 杖歩行をするなど やや不自由な暮らしをされています。

介護申請をしたところ 要支援とのこと。

もともと ポジティブなひと。前向きな気もちで 暮らしていらっしゃる。 

昨年は 終活に着手し 年末には 親類の女性を養女として迎えることになりました。様々なことを託せる 信頼できる人を得て よし子さんは 安心したようです。

といっても 養女さんは 遠方で働いているため あいかわらずの独居生活。


お正月に電話のやり取りをして以来 ご無沙汰していたので どうしていらっしゃるかと思い ラインを送ったところ

こんなお返事でした。

心友が認知症になってしまい そのショックが続いています。

どちらかというと 楽天家のよし子さん。ショックが続いているなんて これは ゆゆしきこと。

ライン通話に切り替えたら 「いいタイミングでお話しできる!!」と言って いろいろ聴かせてくださった。

心友は 中学時代からの友達。すでに施設に入居しており 一度は顔を見に行ったが 以前のようには話せなかった。忘れている。いろんなことを・・・。

近くに住んでいて 通院時の送迎をしてくれた先輩(男性)と 昨夜から連絡がとれなくなっている。もしや 具合が悪くて 倒れているのじゃないかと気になっている。実際 どうなっているのか。その事実を知るのも怖くて 電話をできないでいる。心配のあまり 食欲がなくなった。
 
同級生で 亡くなった人もいる。親しかった人も 数人・・・。長く生きていると 楽しいことより 悲しいことが多くなる。


もし わたしが長生きしていたら 同じようなことを体験し 同じような気もちを味わうだろうな。

それこそ 自分が 誰より先に 認知症になるかもしれない。親しくしている友人と連絡がとれなくなって おろおろするかもしれない。周囲の友達が 段々 亡くなっていき やがて 誰もいなくなるかもしれない。

それを ひとりで 耐えていくなんて。ひとりびとが さらに ひとりになるなんて。

よし子さんに起こっていることは 他人事じゃない。

ひとりもの & ひとり暮らしは わたしたちの共通点。明日は我が身と置き換えて 話を聴いているのです。


ありがたいことに よし子さんが 老いていく道筋を教えてくださっている。

老いてからの ひとりものの切なさや哀しさも 教えてくださっている。

それでも 前向きに生きることを 教えてくださっている。


ところで

彼女が 食事も喉を通らないほど心配する そのお相手のことも気になります。

もし自分だったら 思い切って 電話をする。どんなことが待ち受けているか それは 不安で仕方がない。だからこそ 行動する。ドキドキしながら待つなんて 無理。

そう伝えて よし子さんとの通話を終えました。


やがて 彼女から ラインあり。

電話をしたところ 彼は 体調不良で休んでいたとのこと。

「生きていてくれて よかった」という声が さきほどとは 雲泥の差。大切な人を心配してオロオロしている。そんな暗いトンネルから やっと抜け出せたのでしょう。


それにしても 絶妙なタイミングで よし子さんに連絡した わたし。

やっぱり 彼女とは 深いご縁があるのだろうな。


長生きすることの大変さを想像しながら あえて 願う。

よし子さん どうか 長生きしてほしい。

ずっと ずっと ひとりものの道しるべでいてほしい。




お訪ね下さって ありがとうございます💗

   

         おり~ぶ

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