個人的なおつきあいはないけれど。

4/19/23

ご縁



朝から青空が見えていて 気もちのいい朝です。それなのに 少々 腰が痛い。昨日の草取りで 地面に這いつくばるように しゃがんでいたせいでしょうか。ちょっとかわったことをやるとこれですから 歳はとるもんじゃありませんねぇ。

さて きょうの話題は 知人とのこと。

職場の廊下で ばったり会ったのは 病院内でボランティアをしている タナカさん。彼女は 70代後半になるかしら。

タナカさん

まぁ おり~ぶさん。お久しぶりです。何年ぶり?お元気そうね。わたしも こうして頑張ってます。


彼女に初めて会ったのは 16年前。わたしが 緩和ケア病棟に勤務し始めた時でした。

病棟行事のお手つだいやお茶のサービスにきていたのが タナカさん。日替わりで 数名のボランティアさんがいて 彼女は まとめ役をされていたようです。

緩和ケア病棟のボランティアさんは 患者さん・ご家族を支える多職種チームの一員といっても 過言ではありません。あくまで 奉仕の活動をしていただくのですが 彼女の淹れた一杯のお茶で 患者さんのこころが癒される。心理職としては ボランティアさんとのかかわりや協働も 重要な仕事の一つ。ちょっと手の空いた時に 雑談もしました。

それによると

彼女は 50代で 実のご両親 さらに 義両親さまを介護し 看取られたそうです。そういった経験のなかで ボランティアを志したとのこと。そうして 活動を開始したのが 現在の病院ということでした。もう 20年以上 続けていらっしゃるんです。

今は ご夫君とのお二人暮らし。彼女自身が 数年前 体調不良で 一時休まれていたこともあったのですが 復帰して 今に至っています。

先日会った時は 患者さんの案内係をしていたようです。初めて来院した人は どこに何があるのか どこへ行けばいいのか わからない。そういう時は ボランティアさんが案内してくれます。

コロナ禍で 活動を休止していた時期もありましたが 昨年から 少しずつ再開しているようです。

ところで

タナカさんとわたし。院内にいても めったには会えません。廊下ですれ違うなんて 一年に一度 あるかないか。わたしが緩和ケア病棟から離れて 4年経った今は 特に会えなくなりました。

だから 偶然 彼女に会えたのは ラッキー(^^♪  

とはいえ 勤務中なので そうそうおしゃべりもしていられない。再会を喜びつつ その場をあとにしました。


タナカさん。相変わらず 背筋が ピンと伸びていたなぁ。はきはきお話しされるのも 彼女らしい。そういえば 髪も 黒っぽく染めてらした。以前とちっとも変わらない雰囲気。

ボランティア まだまだ 続けるんだろうなぁ。すごいなぁ。

きっと 並々ならぬ思いがあって やりがいや生きがいを 感じていらっしゃるのでしょう。彼女自身が 気力や体力に恵まれていることは当然のことながら ご家族の理解も得られなければ こんなに長く続けられない。

たぶん これからも タナカさんは お元気でいらっしゃる限り ボランティアとして 通い続けるでしょう。もしかしたら わたしのほうが先に 退職することになるかもしれません。

そういえば 彼女に 小さな紙きれをもらったことがあります。それには 新聞記事にあったという文章が書いてありました。以前のブログでもご紹介したことがあります。まずは 自分のために 再び 載せておきたい。

外山 滋比古氏(英文学者 評論家 エッセイスト 1923~2020)の【本物の大人とは

  • 矛盾しているのが 大人である
  • 私を消すのが 大人である
  • 味のある顔をしたのが 大人である
  • 正直ではなく 白い噓をつくのが 大人である
  • 裁くのではなく 応援するのが 大人である
  • 真似ではなく 自分の頭で考えるのが 大人である
  • 威張らず 腰の低いのが 大人である
  • 敬語のたしなみを知るのが 大人である
  • 広い世間を知るのが 大人である
  • 落ち着いた声で話すのが 大人である
  • 言ってはいけないことを知るのが 大人である
  • あいまいな言葉を使うのが 大人である
  • 謹んで歩くのが 大人である
  • 歳相応の苦労をしたのが 大人である
  • 自分のスタイルをもつのが 大人である
  • 考えながらしゃべるのが 大人である                        

タナカさんというと 上記の文章を思い出します。彼女でさえ「本物の大人にはなれないわねぇ」と言っていました。わたしなんて まだまだ 無理。とうてい無理。たぶん 一生 無理。

でも 書かれているうち いくつかの「本物の大人」には なりたい気もちがあったりします。


とりあえず タナカさんを見習って まずは 背筋をピンと立てますか。


ちなみに 彼女と個人的なおつきあいはしていません。あくまで 職場でのかかわりだけ。

親しくおつきあいすることばかりが ご縁じゃない。

ふっと 思い出す人。それもまた 素晴らしいご縁かと想っています。



きょうも お訪ね下さって ありがとうございます💗
   


         おり~ぶ

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